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とても短いしオチもないけど過去に唯一、不思議な体験をしたことがある
15年くらい前
高校時代からの悪友Kと「せっかくのお盆だし、墓参りをしよう」ということになった
お互い複雑な家庭環境だったこともあり、自分の家の墓なんて無かったので
「適当な墓地の無縁仏でいいだろ」
「せやな!まんじゅうと水でも買ってくか!」
と、スーパーでお盆用に売られていたまんじゅうと500mlの水を買って「どこの墓地に行くか」と相談を始めた
ちなみにお茶ではなく水にしたのは、心霊かぶれだった俺が「水の方が霊は入りやすい」と力説したから
場所は実家のそばの墓地にした
とくに寺がそばにあるわけでもなく、柵も塀もない、小学生の通学路の横にあって拓けた感じの墓地でアクセスしやすい
田舎にはよくあると思う
田舎といっても県庁所在地の端くれなので、道は狭いが人通りや交通量もそこそこある
無縁仏と書かれた大きな石碑が一番手前にあり、子供の頃「無縁仏ってなんだ?」って思っていたので印象が強かった
いざ現場についたものの、俺もKも墓参りなんてしたことが無い
「どうする?」と苦笑いしながら、とりあえず買ってきたまんじゅうと水を無縁仏の石碑そばの墓石に供えた
あんまくわしくないけど、墓石って「〇〇家」って書かれてるイメージだったので「南無阿弥陀仏」と書かれた墓石が「無縁仏じゃね?」となり、いくつかある中で適当にひとつ選んだ
食事の時くらいしか手を合わせたことがないが、合掌しながら
「えー、俺たちはあんたのことは知らないし、あんたも俺たちのことは知らないと思うけど、どうか成仏してくれよな。あ、あとこれ、まんじゅうと水買ってきたから」
と声に出して2人でヘラヘラ笑ってた
その時ふと墓石の上をみると、陽炎のように空気が揺らいでいるのがみえた
昼で天気も良かったし、夏場の気温も考えると別に不思議なことはないと思ったが、
隣の墓石も、向こうの墓石も、けっこうじっくり見たが空気が揺らいでいるのは目の前の墓石だけだった
急に無言になり墓石を見比べる俺に
「どうした?」と声をかけてくるK
なんとなく長居するのはまずい気がして
平静を装いながら「そんなわけで俺たちは帰る、じゃあな!」
と言い残して足早に車に戻った
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帰りの車内でKに、「実は…」と先ほど見たことを話した
Kは俺の様子がおかしいので何かを察したとは言っていたが空気の揺らぎには気づかなかったらしい
・目の前の石はおそらく黒御影(閃緑岩)で、まわりのほかの黒御影も御影(花崗岩)の墓も上から陽炎は昇っていなかった
・墓石に水をかけたわけでもないのに、目の前の墓石だけ陽炎がみえた
・陽炎が昇っているなら墓石選びの時点で気付くのではないか?
と疑問点を述べたものの、2人とも納得できる答えが出て来ず
「不思議なことはあるんだな」
「憑いてきてたらどうする?」
なんてはしゃぎながら飯食って帰った
心霊体験がどうというより「お盆に無縁仏の墓参りをした」という話のネタができただけで2人とも満足だった
おわり
[心霊体験語り合おう]
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