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【洒落怖】隙間女【短編】

61: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/08/06 02:46

霊感の強い友人から聞いた話なんですが。
その友人をA男として話をします。

A男は運送会社に勤めているんですが
まだ入社したての頃、社員寮みたいなものに入っていました。
少々狭くて年季の入った建物なんですが
安いということで若い社員なんかが結構入ってたみたいです。
で、入社して3ヶ月が過ぎたあたりでA男の同僚で
同じく社員寮に入っていたB男が会社を休みがちになり、1週間無断欠勤が続いたんだそうです。
それである日A男がB男の様子を見てくる事になりました。
B男は電話にも全くでないので、もしかしたら実家に帰ってるんじゃないかとも思ったそうですが
仕事を終えてB男の部屋を訪ねるとB男はちゃんと寮の部屋にいました。
ですが部屋には鍵がかかっていてドア越しに会話をしたそうです。
何で会社を休むのか、A男が訊くとB男はこう答えたそうです
「俺、彼女ができてさー、ちょーかわいくて、もう好きで好きで、離れたくねーんだよ」
A男はちょっと呆れたそうです、んな事で会社を休むなよ、と。
A男は会社に顔を出すように説得したんですが
B男はもう彼女にぞっこんのようで離れたくないと言って聞きません。

 

62: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/08/06 02:46
埒があかないと思ったA男は、そんなにかわいい彼女なら
ちょっと俺にも会わせてくれよ、とB男に頼んだそうです。
(とりあえず鍵を開けさせて無理やりにでもB男を会社に連れて行かないと)
B男はちょっと考えてから、少しだけなら、とA男を部屋の中へ入れてくれました。
部屋に一歩踏み込んだ瞬間A男は何か嫌な感じがしたそうです。
こりゃなんかいるな、と。
霊感の強いA男はそういうのを感じたり見たりするのには慣れていたので
今はB男の事のほうが優先事項だと思い、彼女は?と聞いたそうです。
するとB男は「ほら、そこ」と言うそうです。
でもいくらワンルームの部屋を見渡してもA男とB男以外に人影は見当たりません。
「えっと、ごめん、どこ?」とA男が聞くとB男は
「ほら、そこにいるじゃんか」と言ってある方向を指差しました。
B男が指差したほうにはタンスがあります。
A男は何かの冗談かと思ったそうですが、B男が指差したほうをよく見るとタンスと壁のわずかな隙間があります。
A男はその隙間を見たとき、今まで感じたことのないくらいの嫌な感じがしたそうです。
そしてA男がその隙間を覗き込むと、5cmほどの隙間に女がいたんです。
髪の長い女でうつむいて見上げるようにこっちをジッと見ていたそうです。
ヤバイ!と思ったA男はすぐに目を離しました。

 

63: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/08/06 02:47

B男は「どうだ?」とか聞いてきたそうですがA男は「ああ…そうだな」と聞き流して
「ちょっと買い物に付き合わないか」と言ってB男を外に連れ出そうとしたんです。
でもB男は、彼女が寂しがるから行けない、と言って絶対に出ようとしません。
A男は何とか粘ってB男を連れ出そうとしましたが
そうしてる間にも嫌な感じはどんどん強くなっていったそうです。
A男はもう冷や汗だらだらで、もう限界だと思い
「あした、また来るから」と言ってその部屋を出ました。

そして次の日、今度は他の同僚も連れてB男の部屋を訪れたそうです。
ですが部屋にB男の姿は無く、嫌な感じも、隙間にいた女もいません。
それからB男の消息は途絶えたままだそうです。

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