洒落怖・短編

【洒落怖】詩人・長谷川龍生氏の受難【短編】

 

死ぬ程洒落にならない話集めてみない?PART3!

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747: 中岡先生 2001/02/25(日) 22:35

ではお言葉に甘えて。

ちょっとうろ覚えだが、こんな話だった。

詩人・長谷川龍生(りゅうせい)は当時静かな仕事場を
探していた。そして世田谷区の某所に破格に安い一軒家があったので、
そこを借りることにした。あまりに安い物件なので、なにか
あるかもしれないとはうすうす予測していたらしい。
だが、長谷川氏は天涯孤独の身で、幼少のころから
少々のことではビクリともしない強靭な精神を培っていた。
なんでも長谷川家の者はなにかの因縁か、けっこう凄まじい
死に方をしているとかで、一家は離散し、龍生氏が長谷川家の最後の
生き残りだとも言っていた。
なので、鬱そうとした庭もある、世田谷の広い屋敷を格安で借りれる
とあってむしろ喜んだくらいだった。
引越しも無事に終わり、毎日机に向かって執筆活動をしていたが、
ある日庭に出て、なんとはなしに家を眺めていると、
おかしなことに気がついた。
家の2階部分に知らない部屋があったのだ。

 

748: 中岡先生 2001/02/25(日) 22:36
龍生氏は家に入り、その部屋があるべきところを探していたが
なかなか見つからない。ようやく2階の廊下の突き当たりが
怪しいと分かり、板張りの壁を剥がすと中からバッテン印に
板切れを打ち付けられた入り口が現れた。
板切れを取り外し、中をのぞいた龍生氏はぎょっとした。
そこは8畳くらいの、まん中に囲炉裏があるような純和室で、
今のいままで老夫婦がふたりでお茶を飲んでくつろいで
いました、というようにお茶碗もあり、日常そのままだった。
「なんでこの部屋が空かずの間になっているんだろう?」
龍生氏はさすがに少し気味が悪くなってきた。
仕事場は1階にあったが、その夜も執筆に専念していると、
ふと背後に人の気配がした。振り向くと、薄暗い部屋の隅に大きな柱が
現れていた。こんな所に柱なんかあったかな?と思い、なおも
目をこらしてよく見てみると、柱の横に小柄な老人がちょこんとあぐらを
かいて座っていて、龍生氏のほうを見てにこにこしている。

 

749: 中岡先生 2001/02/25(日) 22:37
龍生氏は内心「とうとう出たな」と思ったが、不思議と怖くはなかった。
ここの主かなんかであいさつに出てきたんだろうくらいに思った
というから、その豪胆さにはおそれいる。
それから、毎晩のようにその老人が現れてきたが、なにを言うでも
するでもないので放っておいた。すると龍生氏の体調がだんだんと
悪くなり、最後はほぼ寝たきり状態になってしまった。
身寄りのない龍生氏は知人の詩人(たしか、よねやまももこ、
とか言ってた)に連絡したところ、「あんた、このままだと
死ぬよ」と言われた。よねやま氏によると、なにか家の庭に
ここの家族がひどく気にしてるものがあるはずだという。
それを探して供養しなければいけない。
龍生氏は翌日、辛い体を起こして庭に出た。
竹箒で荒れている庭の落ち葉などを掃いていると、
庭の隅にそこだけ土の感じが違う所があったので、掘ってみた。
すると、おびただしい量の、ここの家族のものと思われる
写真やアルバムが出てきたという。
その後、龍生氏が調べてみると、そこの一家に起こった凄まじい惨劇が
分かったという。その内容までは番組では明かされなかった。

 

750: 中岡先生 2001/02/25(日) 22:38

多少記憶があいまいだが、だいたいこんな感じだったと思う。
そういえば、加納典明もゲストで出ていた。当時オレは何があったのか
めちゃくちゃ気になったが、どうしようもなかった。
知りたいような、知りたくないようなそんな感じ。世田谷のどこかも分からない。
ある奴は永福町だとかも言っていたが、分からない。
あと、龍生氏って数年前に亡くなったような気もするんだが・・
違ってたら、大変申しわけありません。

だれか詳細知ってる?

 

761: 中岡先生 2001/02/26(月) 00:58

怖がってくれた人がいたので、調子こいてまた書く。
というか、当時、龍生氏の話は自分がマジ怖かったから。

龍生氏は14,5歳くらいの頃、けっこうな規模の材木商の
家に丁稚奉公として居候していた。
すでに身寄りはなく、ものすごく遠い親戚関係にあった
その家に住み込んで受験勉強をしていた。
ある夜、2階にあてがわれた狭い部屋で、
龍生氏はいつものように受験勉強をしていた。
すると、すーっと部屋の空気が変わったような気がして
「あれ、なんだろう」とあたりを見回した。
見ると、何か目の前がキラキラとしている。
天井から何かが降ってきたような感じだ。
さらによく見ると、何かが降っているのではなく、
老婆が逆さまになって自分の頭の上あたりをぐるぐると
回っていたのだ。見たこともない老婆で、
体は半透明で向こう側が透けて見えたという。
龍生氏は「ああ、どこかのおばあさんだな」
と思ったが、別に恐怖心は覚えなかったという。
(その辺が、龍生氏のなんというかすごいとこだが)

 

762: 中岡先生 2001/02/26(月) 01:01
翌朝、家のご主人にそのことを言うと、
「そうか、出たか」
と言い、老婆の特徴を根掘り葉掘り聞いたという。
そして「やっぱり・・・」と呟いたらしい。
龍生氏はその時初めてゾッとしたという。
その老婆とご主人か、あるいはこの家との間になにか
因縁があるのだなと思ったが、それ以上ご主人は
なにも言わなかった。
それからご主人は2階の龍生氏の部屋に神棚を作り、
毎日お神酒をあげるようになった。
ある日、龍生氏が部屋をはたきをかけたりして掃除していたところ、
ご主人が上がってきて、雑談をしていた。
するといきなりご主人は、神棚のお神酒をぐいっと飲み干したのだ。
「あ、おじさん、ダメだよ! それは古いよ!」
と龍生氏は叫んだが、ご主人は「大丈夫だ。これは神様のお酒
なんだから」と笑ったという。
ところがそれからご主人は高熱を出し、あっという間に亡くなって
しまった。医者の診断はチフスということだった。
ご主人が亡くなったことで、その家はあれよあれよという間に
傾いていき、奉公人もひとりふたりと去り、一家離散に
なってしまったという。龍生氏もいるところがなくなり、
それからかなり苦労することになった。

 

763: 中岡先生 2001/02/26(月) 01:02

と、また一家離散系の話。
その老婆が何者かなのか、話だけでは分からない。
こうなったら、龍生氏にもろもろ話を聞いてみようかとも
思ったりしてる。(>751さん。ネット検索したら
たしかにご存命のようでした。ほっ)

なにか、一家離散とか、一家惨殺とかって怖くない?
家制度に潜んでる得体の知れないしがらみというか・・・
背中が寒くなってきたので逝ってくる。

以上、プレステージネタ終わり。

 

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