洒落怖・短編

【洒落怖】ブラウン管【短編】


死ぬ程洒落にならない話集めてみない?PART4!
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831: ブラウン管 2001/05/07(月) 05:39
家族で鳥取県に旅行に行ったときの話です。
私が小学生だった頃、私の家族は夏休みに
父の実家がある鳥取県に旅行に行くのがお決まりでした。
実家に4、5泊した後、温泉旅館に1、2泊というのが多かったと思います。
話はその温泉旅館での事です。

 

832: ブラウン管 2001/05/07(月) 05:40
その頃、私は第二次成長期に差し掛かった時期で、
家族と一緒なのが嫌だったので先に一人で温泉に入りました。(笑
一足先に温泉に入った私は両親と弟が温泉に行ってる間、
部屋でテレビをみて家族が帰ってくるのを待っていました。
時刻は10時頃だったと思います。
私はテレビに飽きたので持ってきた携帯ゲーム機でもやろうと思い
のそのそと四つ足でテレビまで這っていって電源を切りました。
その時、何気なく消えたテレビのブラウン管を見た私は自分の目を疑いました。
テレビの湾曲したブラウン管には魚眼レンズのように
部屋のほぼ全体が映っていました。
中央には私が映っています。
その背後。部屋の対角線にあたる角。そこに誰かが映っているのです。
浴衣姿の女の人でした。
部屋の隅を向いているので顔は分かりません。
しばらく私はテレビの電源を切った四つん這いの姿勢のままで固まっていました。

 

833: ブラウン管 2001/05/07(月) 05:40
何十秒か何分か経ちました。
私も背後の浴衣姿の女の人も動いていません。
その時意識せずに指が動いたのでしょうか。テレビが再びつきました。
私は金縛りが解けたかのように反射的に振り向きました。
……誰もいません。
部屋の隅には女の人などいませんでした。
楽しげなテレビの音が流れ、私はさっきのは現実だったのか分からなくなりました。
私はもう一度テレビの電源を切りました。
何故かは良く分かりません。
安心して好奇心が出たのかもしれません。
さっきのが夢だったという証拠が欲しかったのかもしれません。

 

834: ブラウン管 2001/05/07(月) 05:41

…しかしテレビのブラウン管には、同じように浴衣姿の女の人が映っていました。
私は信じられない思いでじっと彼女を見つめました。
すると彼女の肩が見られているのを感じたかのようにピクリと動きました。
……気付かれた!そう思いました。
そして私は今度こそ泣きそうになってしまいました。
その女の人が振り返り始めたのです。
顔は見たくない!!
横顔が見えた瞬間、私は目をつぶりました。

私は温泉から帰ってきた家族に起こされました。
テレビの前で眠っていたそうです。
あれが夢だったのかは今も分かりません。

 

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