死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? PART6!
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皆様始めまして。
これは私が小学生の頃の話です。
家の近所に一軒の空き家がありました。
その家は昔旅館を経営していた様子で、
山奥の長い一本道を上っていくと突然現れるその家は
小学生が誰しもあこがれる”秘密の隠れ家”には
もってこいの場所でした。
私は一部の友人達と共に学校が終わるとそこに集まり、
夕飯時になるまでいろんな事をして遊んでいました。
そんなある日、その空き家に”でる”と言う話が
どこからともなくわき上がりました。
そこの旅館の持ち主が首をつって自殺した、
誰もいないはずの家の窓から和服を着た女が
外を眺めていた、とか・・・
私達は仲間はずれにされた誰かがそんな噂を流している
んだろうと、気にもせず隠れ家を愛用していました。
しかし噂は他のクラスの生徒にも広まり、そいつらが
”秘密の隠れ家”を見に来る様になりました。
”隠れ家”に思い入れの深かった私たちは他の生徒
と縄張り争い?の喧嘩をよくしていました。
ある日、隠れ家にいると他のクラスの生徒達が空き家に石を投げてきて
ガラスを割り始めました。
「なんだ?あいつら?」
私たちも、必死になってエアガンを打ったり、
部屋の物を投げつけたりして応戦しました。
パリン、パリンとガラスの割れる音が空き家に響きます。
私は転がっていた竹細工の赤い鞠を手に取りました。
中に鈴が入っているようで
「チリーン」
と音がします。
鞠を投げつけようとした瞬間、相手が驚いた顔をしています。
そんな事は気にせずに鞠を投げつけました。
狙いがそれて地面に落ちた鞠が転がり
「チリーン」
と音を立てた瞬間・・・
「ガシャーン!」という音と共に家中のガラスというガラスが
全て割れてしまいました。
私たちも相手もびっくりして、空き家から逃げ出しました
いっきに山の麓まで下ると、さっきまで喧嘩していた相手も、
同じ恐怖を体験した身として何故か好感が持てます・・・
私が、息も絶え絶え喧嘩相手に話しかけました。
私「さっきびっくりしたよな。ガラスが一辺に割れるなんて・・・」
相手「え・・・?」
相手の仲間「やばいって。そいつと話すな!」
私「何だよ。おまえ」
相手の仲間「だっておまえの後ろに女がいたぞ」
どうやら、私が赤い鞠を投げる瞬間、背後に女が立っていたそうで、
赤い鞠を投げるのを止める様に私にしがみつこうとしていたらしいです。
私はびびりながらも、平気な振りをしていました。
そしてその場は解散となりましたが、友達の一人が
「空き家に忘れ物をした」といいます。
忘れ物自体は大した物では無く、さっきの事もあり、
私は行きたくありませんでした。
しかし、びびっている姿を見せたくもないので
一緒についていく事にしました。
空き家に向かう道のりで私は赤い鞠について話していました。
「だから「チリーン」て鞠が音を立てた瞬間、窓が割れたんだよ」
辺りは薄暗くなってきました。
空き家が見えてきたその時です。
「チリーン」鈴の音がします。
皆で顔を見合わせます。さっきの鞠が転がって
いるのかと、辺りを見回しました。
赤い鞠は確かにありました。
誰かに踏みつけられグシャグシャに潰れて・・・
「チリリーン」また鈴の音がします。
皆、顔色が変わり始めました。
「鞠の鈴だけとれてどこかで鳴ってるんだよ」
誰かがつぶやきます。
「チリーン」音は空き家の方から聞こえます。
「チリリーン」音が近づいて来ているような気がします。
坂道ですのでとれた鈴が転がってきているのかな、
と思っていると
「チリリリン」「チリリリン」「チリリリン」
一箇所ではなく複数の箇所から私たちを囲むように
鈴の音が鳴り始めました。
「ぎゃー!!!」
みんな一斉に逃げ出しました。
その後、誰も空き家に近づこうとはしなくなり
間もなく、その家は小学生が溜まるというので
取り壊されました。
これだけです。後日談も何もありません。
だらだらと長くなってしまい済みません。
オカ板の強者の皆様にとっては全然怖くない話でしょうね。
しかし、私は今でも鈴の音を聞くとあの頃の体験を思い出して
しまいます。
最近の話なのですが、会社からの帰宅途中、
私の彼女から携帯に電話がかかって来ました。
「変な留守電が入っていたの。聞いてみて」
おもむろに彼女は留守電を再生します。
「カーン・カーン・カーン・カーン」
踏切の遮断機が鳴っているような音です。
その音が延々と1分位続いてます。
携帯電話で留守電を聞いてるので音が不鮮明です。
「なにこれ?ちょっと音悪くてよくわかんないや。」
気味悪がっている様子なのでとりあえず私は
彼女の家に寄ることにしました。
彼女の家まで後少し、という所でまた電話がかかってきました。
私「はい?」
彼女「こないで」
私「え?」
彼女「やっぱりいいの。こないで」
私「いや、もうおまえの家に着くから、行くよ」
電話を切ると、丁度彼女の家の前です。
チャイムも鳴らさずにドアを開けると
彼女はちょっと呆然としていた様子でした。
私「どした?」
彼女「留守電・・・消えちゃった」
私「えぇ~。」
彼女「いや、消去とか何もしてないの。また聞いて見よう
っておもって再生したら消えちゃってた・・・」
なんじゃそりゃと思いつつも、彼女はまだ気にしている
ので、落ち着くまで一緒にいました。
次の日の仕事が早いので私は彼女に別れをつげ家に帰りました。
で、私が自宅に帰りつくと留守電のランプがチカチカ・・・
ちょっと嫌な予感がしながらも再生を開始しました。
「カーン・カーン・カーン・・・」
先ほど電話ごしに聞いた踏切の遮断機の音です・・・
心臓が口から飛び出そうになりました。
恐怖のあまり固まっていると・・・
「あはは♪ごめんねぇ。驚いたぁ?」
彼女の声です。一杯食わされました。
こういういたずらをたまにしてくるんです。
ちょっと頭に来た私は彼女に怒りの電話を。
私「おまえマジでびびったぞ!!」
彼女「いや~ちょっと驚かそうと思ってね」
私「どっから踏切の音なんて持ってきたの?」
彼女「ん?踏切?」
私「・・・」
彼女「私使ったのお経のテープだよ・・・」
私「またネタかよ。カーン・カーンっていってただろ?」
私は留守電をまた再生しました。
そこには踏切の音ではなく確かにお経が・・・
私の聞いた踏切の音は何だったのでしょうか?
ちなみに彼女は私がネタを作っていると今でも思ってます。