死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? PART8
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これは、母から聞いた話です。
親戚に体格の良い、叔父さん(私から見て、母からは義理の兄)がいた。
特にスポーツをやっていた訳ではないが、子供の頃から農作業を手伝っていた所為か腕っ節は強かった。
その叔父さんが、結婚したばかりの頃夜中の12時頃になると、訳の判らない事を口走ったり、
自分で自分の首をしめたり、いきなり高いところへ駆け上り跳び下りようとしたり、と奇行が目立つようになっていた。
しかも不思議なことに30分ほど経つとピタリとおさまりその間にやっていた事は、全然覚えていなかった。
そのようなことが、1~2週間続き、周りで取り押さえる方が疲れ始め、また此のまま、ほおって置くと本当に自殺するのではないかといろいろな所へ遭ったっていると、或る親戚の一人が
良いお祓いやさんがいると、とあるおばちゃんを連れてきた。
おばちゃんは特にこれと云って変わった感じは受けなかったが、
叔父さんを見るなり、
「あんた、呪われているよ。心当たりはないですか?」と聞いてきた。
叔父さんには、心当たりが一つだけあった。
最近結婚した奥さんが、以前やくざの女で(正しくは相手は本当のやくざではないし、
情婦と言うほどの付き合いでもなかったらしいが)相手のやくざから
強引に別れさせ(無論、今の奥さんに頼まれて)、それが切っ掛けのような形で結婚したのだ。
呪いをかけられる相手として浮かんだのは、その男しかないと思ったのでそのおばさんにそう答えた。
すると、おばさんは「そんな男に大きな力はないと思うから、きっとお金で雇っているのね。」
「まあ、任せときなさい。今晩一晩お払いしときますから、
一週間ほどしてからまたきますから、本当に払えていたらその間なにもないはずですから。
お金は、その時に準備して置いてくださいね。」
そういって、1~2時間ほど不思議なお祈りをして帰っていった。
やがて、一週間が経ちそのおばちゃんにお金を払い(母の話だと普通の人の月給程度)
お礼をした。
母は、好奇心が強いので、そのおばちゃんと世間話をしながらいろいろ聞いてみたが
一番気になっていたことを聞いた。
「もう、相手の人は、呪いをかけ直すと言う事はないんですか?」
「ええ、一週間も経っていれば大丈夫です。
わたしのは、呪いを払ったんじゃなく、返したんですから。
相手は、私と同じような商売の人、恨みはないし、
まあ、私もこんな商売していれば、畳の上では死ねないと思ってますから。」
そう云っておばちゃんはにっこり笑った。
母は、人の笑顔がこんなに怖かったのは初めてだったと言っていた。