こぼれ。死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? PART10
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1.マッチョな兄貴
中学校の時の話です。
そんころ私はバスケット部に入っていて、帰宅は19時を過ぎることが多々ありました。
そして、その帰路は私は他の部員と一人だけ異なる方向に実家があったため、いつも一人でした。
そしていつもの通り、部活で遅くなり、一人でとぼとぼと山道をくだっていた晩秋の出来事です。
道の片隅に白い人影を見かけました。
その人影は、良く見ると溝の中に入って、私に背中を向けて立っています。
なんだか気持ち悪いな・・・と思いつつも他に迂回路もなく、おそるおそるその人の脇を抜けようと歩みを進めました。
5m、3m、2m、、、、
その人は微動だにしません。
私は半分逃げるような形で、通りすぎました。
こんな日が、3日続きました。
その人はいつも同じ場所、同じ様子で立っていて、何の意図でそんなことをやっているのかさっぱりわかりません。
そして4日目。
この頃になると、その人は気持ち悪い人間に変わりはないが、危害を与えるわけでもない、と判断していたので恐怖より好奇心が勝ってきていました。
そして湧き上がる好奇心にかられて、通る過ぎる瞬間、その人の顔をちらっと見てしまったのです。
(にやっ)
笑顔を返してくれました。すごく気持ち悪かったので、走って逃げました。
次の日、その場所を通ってみるといつもの白い服の人がいません。
どこかから見てるんじゃないか?そんな不安もありましたが、その人が立っていた所、すなわち道路脇の溝を調べてみました。
「薔薇族」「サブ」「サムソン」
なんかマッチョな兄貴がムキムキしているA5サイズの雑誌が落ちていました。
やっぱり走って逃げました。
2.助けて誰か
釣り版からのコピペです。
既出だったらスマソ。
数年前に、本栖湖畔で朝釣りのために
キャンプをしていたときのこと。
夜中のたき火中に、
「たすけてえええだれかあ」と女性の声が湖の方で聞こえてきて、そち
らに目をやると女性が溺れていた。
びっくりしたと同時に、助けなきゃと思い立ち上がったら、連れが
「おまえ何する気だよ!」って引き留めるから、「助けなきゃ」と言い返し
たら、 「おまえ、ちょっと冷静になってよく見て見ろ!ここから離れて
いて真っ暗なのに何で顔がはっきり見えているんだよ!」と、言うもんだから
改めて見てみた。
そうしたら、水の中でばしゃばしゃ藻掻くこともやめて、じっとこちら
を見ていた。足が立つ場所じゃないのに・・・
確かに暗闇のはずなのに、顔の造作までハッキリわかる。白く光ってい
るというか。
たき火は埋み火だったから、こちらの光が届くわけもなし。
んで、ゾーっとして言うまでもなく、即刻撤収。
そちらを見ないようにして作業したんだけど、視線をずっと感じてい
た。
もう、二度と行かない・・・!
あと、神奈川県の幕山付近でも怖い思いしたんだけど、次回に。
3.シャリンシャリン
合宿といえば聞こえがいいが、尾根沿いにある自然公園は首吊りがあった事で
有名で体のいい肝試しという側面もあったのだが。
日没前には現地に入り、公園内という事で気が引けたのだが天候が崩れる事が
予想されていたのでテントの周辺に溝を巡らせランタンを消した。
しかし、そこは大学生。寝付ける訳も無く怪談大会になるのは自然の流れで。
天草五橋の心霊写真や日向の殺人のあった家で見た塩の入った壷等とひとしきり
話しこんだ後に就寝となったのだが、夜半から崩れた天候による風と雨音に混じり
シャリン、シャリンという音が聞こえる。
最初はテント脇のブランコだろうという事ですましていたのだが、件の音がテント
の周りをぐるぐると回り始めるに及び皆の緊張は頂点に達した。
山伏が持つワッカのついた杖のような、托鉢の持つ鐘のような。そのうち、耐え切
れなくなった同期の奴がテントの小窓から外を覗き見たのだが何も見えなかった
らしい。結局、明け方には音も消え逃げるように撤収したという話なんだけど。
山の話が出てたので、何となくね。
4.人型
其処には連絡用のトロッコが敷設され、射爆場の監的壕と要塞砲の連絡を行っていた。
ある日のこと、一トン爆弾用の新型爆薬のテストが行われることになり、板橋から火工長
がやってきた。
指揮所にて最終確認を受け、監的壕の前に設置された爆弾に向けて火工長以下5名の
作業員がトロッコに乗って出発した。
火工長は軍服を着ており、残りは作業服に麦わら帽という出で立ちだった。
遅れて、見学者を乗せたトロッコが出発した。
そのトロッコが走っていたとき、突然レールに稲妻のような閃光が走り、試験用の爆弾が
爆発した。
勿論、先に出発した火工長と作業員は粉微塵になって吹っ飛んだ。
しかし、作業員の遺体の一部は其処此処にあるのに、火工長の遺体だけが存在しない。
捜索隊は必死になって探した。
ふとコンクリートの壁に目をやると、人間の形をした影が浮き上がってきている。
コンクリートの合わせ目に、軍服の生地のような糸屑が霜降りの如く細く一面に挟まり込
んでいた。
火工長は、爆風で吹き飛ばされた拍子に肉体と軍服を壁に圧入されてしまったのだ。
その肉体に込められた脂血が時間の経過と共に化学変化を起こし、浸みだしてきていた
のである。
事故処理班が軍服のなれの果ての糸屑をピンセットで取り出し、人型を拭い去った。
しかし、翌日早朝、事故処理班が現場に行くと、また人型が浸みだしている。
このままでは士気に影響すると考えた処理班長は、壁を擦り続けた。
それでも、人型は怨念のように翌日には現れている。
逆上した処理班長は自らセメントを塗りたくった。
ところが、また人型が滲み出ていたと言う。
ついにたまりかね、タガネでコンクリートを片端から削り取り、分厚くセメントを
塗ることで漸く人型は滲み出なくなったという。
5.お通夜
当時、夜の仕事をしていた俺はいつものように昼過ぎに起きて下に降りました。
すると両親が喪服を着て、いそいそと準備をしていたので「誰か死んだの?」と聞くと
「○○のおばさんが亡くなったのよ」と聞かされました。
この人は父の姉に当たり、そう言えば前から入院してた記憶があった。
小さい頃はよくこのおばさんの家に泊まって遊んで貰ったもので、俺達兄弟は皆この人が好きです。
なので俺は「生きている間に何かして上げれば良かったな」とか少し感傷に浸ってしまいました。
それから俺はどうしても仕事を休めないので、仕事に行く準備をしてご飯を食べているところに
弟が学校から帰ってきました。
弟「あれ?どっか行くの?」
母「うん、△△もお通夜行くから準備しておいで」
弟「お通夜?ああ、それでか~、さっきエレベーターホールで○○のおばさんに会ったんや」
父、母、俺「!?!?!?!?!?」
弟「どうしたん?○○のおばさんも一緒に行けばいいのにな」
当然、両親は強ばった顔で言葉を失っていました。
俺「・・・で・・何か喋った?」
弟「いんや、俺を見ながら笑ったままエレベーターに乗っていったで」
俺「・・そ、そう・・・」
弟「そうそう、俺が喋りかけても笑ってるだけやから、何か怖いもんがあったけど、誰か死んだからやな」
父、母、俺「・・・・・・・・・・・・・(冷汗」
弟「それで誰のお通夜に行くの?」
誰もその弟の問いに答えることが出来ずにいると、意を決して父が説明しました。
最初は弟も信じず、しかし嘘じゃないことが分かると黙り込んでしまいました。
文才がないのもあるけど、文章にするとあんまり怖くないな。実際だとかなり怖かったのだが・・・。
6.両手首
厨房時代の実話。
仲間内では公認のカップルであったA雄とB子、だがA雄がエリート高校を目指すための受験勉強で忙しく、二人の隙間は広がっていった。
ドライなA雄とは違い、B子は彼に会えない事にいらだち、A雄にしつこく誘いの電話をかけ続けた。
それに耐えられなくなったA雄がB子を振った数日後、B子は駅のホームに身を投げて 死んだ。
無惨に引き裂かれたB子の遺体、だが、両手首だけがどうしても
見つからなかったらしい。
時は流れて卒業式、A雄はB子に罪悪感を持ちながらも志望校に合格していた。
式が終わり最後のHR、卒業アルバムが配られた時、A雄のクラスがパニックに陥った。
「A雄の両肩に、手首が添えられていた。」
ちなみに、私はA雄と同級生だったのでそのアルバムは持っている。ヘタレ厨房ゆえにそのページは捨ててしまったが。
7.マツモトさん
もう6年前の話になります。
夜中に玄関から声が聞こえるため、母が何事かと思い、とりあえず力になりそうな
俺を起こして、二人で玄関に行くと、曾祖母が一人で玄関に向かって喋ってました。
90歳を越える祖母は、普段は介護が必要で、なかなか一人では歩けない人でした。
「誰と話してるの?」と母が尋ねると「マツモトさんが、タンスを買ってくれと
言って、買わないと答えてもなかなか帰ってくれない」と言いました。
玄関を見ても真っ暗で、もちろん誰もいません。寝ぼけてるのか、そう思った
俺と母は、「とりあえず部屋に戻ってゆっくり寝ましょう。マツモトさんには
私から断っておきます」。そう言って母は「すいません、マツモトさん」と
誰もいない玄関に向かって曾祖母のために演技をし、俺は曾祖母を部屋に連れていきました。
次の日の昼間、曾祖母は突然の心停止で亡くなりました。
今から思うとあの出来事は、あの世からの迎えが来たとしか思えません。
後日談ですが、マツモト家具という店が、曾祖母の育った家の隣に昔あり、
戦後の不況などで一家は夜逃げ同然でいなくなったそうです。
8.鏡張り
出張先での仕事が長引き終電も逃してしまった為、ビジネスホテルに泊まること
にした。部屋に入りコンビニのお弁当を一気に食べてビールを飲むと、ベッドに
倒れこみそのまま寝入ってしまった。
夜中目を覚ました。ボンヤリした薄目の視界から、天井の鏡に映る自分が見える
。そのまま再び寝入りそうに朦朧としながらも「ん?ビジネスホテルの天井が
鏡張り??」と違和感を覚えた。
同時に部屋に漂う煙のようなモノを感じた瞬間、ガバッと飛び起きた。
「火事か?!」完全に覚醒した。
しかし火独特の匂いがない。それに部屋に漂うものは煙というより、何か綿の様
なフワフワしたものなのだ。一瞬安堵したが、咄嗟にさっきの天井を思い出した。
ハッとして見上げると、鏡に思えたのも無理はない。
天井にはベッドのシーツと見まがうような、まるで絹で出来た蛇の胴体のような
真っ白な‘何か’がトグロを巻くようにミッシリと充満している。それがズズズ
と蠢いているように感じた。そしてその真中に女性の顔があり、私を見下ろして
いたのだ。バサッと下に向かって垂れた長い髪が、その顔が上から見下ろしてい
る事を物語っている。
私は一瞬駆け出そうとしたが、そのまま凍り付いてしまった。目が逸らせない。
するとその真っ赤な唇がキューッと吊り上り「ぐふっぐふっぐふっ」と声をだす。
その声は笑っているのか苦悶しているのか、よくわからなかった。
9.カタカタ
私が小学校3年生の時の実体験を一つ...
当時私は両親が離婚した関係で、
兵庫県の祖母の家に、祖母と叔父(祖母の次男)と三人で住んでいました。
祖父は、私が幼稚園の頃に癌で亡くなっており、
祖父と離れる事を嫌がった祖母は、お骨を仏壇に安置したまま毎日お線香を上げていたんです。
(この事は後で聞かされて判った事なんですけど。)
それは、何時頃の事だか定かでは無いのですが、
東京で働いていた母が休暇で戻って来て、四人で寝ていた時に起こりました。
小学生だった私は夜中に目が覚める事なんて殆ど経験が無かったのですが、
夜中にふと目が覚めたんです。
祖母、叔父、母も目を覚ましていました。
その時地震でもないのに、仏壇が揺れて中のお骨が「カタカタ」と鳴ったんです。
祖母は訳の判らない事を言っているし、
母は私の手を掴んで震えているし、
当時の私は恐さよりも、一斉に家人が目を覚ました事が不思議で、
部屋の明かりを点けました。
明るい部屋の中で、仏壇の中から「カタカタ」と言う音だけがやけに大きく聞こえてきます。
記憶に残っているのはここまでなんですけど、恐かった?(笑)