洒落怖・短編

【洒落怖】泥棒避けに1階で寝ていたらいつの間にか中年の男が台所に立っていて【短編】

347: 泥棒退治 03/05/04 14:20
我が家は関西の地方都市に両親と姉と4人家族ですんでいました。(今も両親
は住んでいます) そのとき住んでいた家の台所が用水路というよりドブ川
に面しているのですが、家と用水路の間には人が一人とおるのがやっとの空
間があって、近所の子供達が抜け道でとおる以外は家族もめったに使わなか
ったです。
僕が小学校5年生のとき父親が出張で帰ってこなくてその夜は家族3人で過ご
すことになっていました。このこと自体は特に珍しいことでは無くいつもど
おり母親が夕飯の準備をしていたところ「キャー」という母親の叫び声が台
所からしてきました。なんだろうと思って台所に駆けつけると、台所の窓か
ら前の路地を見かけない男性が通り過ぎるのを見たとの事です。そのころ近
くで空き巣がでたりと物騒でしたので母親がそのことを父親に電話で相談す
ると父親が僕に電話を代われとの事でした。僕が電話に出ると、「おまえは
もう大人(11歳なんだけど)で男なんだから、今日は1階に一人で寝なさい」
との事でした。(いつも家族全員2階で寝ています) 僕は結構びびりなんで
すが、ちょうど第二次成長期で体はますます大きくなり力もどんどんついて
いくのが日に日に感じられる時代でしたので、まさか人の気配があれば泥棒
も入ってこないだろうと思い、一人台所の横の居間に布団をひいて、とりあ
えず野球用の金属バットを枕もとに置き電気をつけたまま布団に入りました。

 

348: 泥棒退治 03/05/04 14:21
気が付けば寝てしまっていたのですが次に目がさめた瞬間、台所で人
の気配がします。「しまった。泥棒だ。しかし電気がついてるのに何
で入ってくるねん」と思いながらも、台所に目を向けると、中年の帽
子をかぶった男性がこちらを見ています。しかしその次の瞬間ですが、
男の体がすっと動いて。男の顔が私の目の前15cmくらいにところに
あるじゃないですか。しかもそのときは顔があることはわかるのです
が、体が無かったように思います。
「泥棒ちゃうかって、お化けやったんかー」と心の中で叫びましたが、
脳みそががキューと締め付けられる感じで何もできません。またその
次の瞬間男はにやりと笑って、後ろを向いて背中向けに私の体の中に
入ってくるじゃないですか? ちょっと説明が難しいのですが、漫画
とかで幽体離脱っていうのを見たことあるのですが、それが逆に入っ
てきた感じです。その瞬間私は気を失って、気が付けば次の朝でした。

 

349: 泥棒退治 03/05/04 14:23
目を覚ますと父親と母親が電話で話していて、母親が「何もなったよう
だけど。気をつける」見たいな事を言っていました。私は数日は夢か本
当かまったくわからず家族にも話せず混乱してしまいました。夢にして
はあまりにも現実的過ぎて、明らかに現実に起きたことだという確信が
あったのですが、自分で理解不能なものは忘れる、という性質があるの
で、しばらくたつと日常生活に戻っていきました。
後日談になるのかわからないのですが・・ その後定期的(年に1~2
回)その男と思われる人が夢にでてきます。いつも同じシチュエーショ
ンで、真っ暗なところにその男の人が立っているのですが、ただそれだ
けで話すことも無く、顔を確認することもなくしばらくその景色を見る
だけです。この夢も二十歳を過ぎ、鋭利な感性も失われた大人になるに
したがって見ることもなくなりました。
他の話に比べたら可愛いものですが、当時の事を思い出すとまだ脳みそ
がキューという感じがします。長文すみません。
洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?Part36
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