洒落怖・短編

【洒落怖】解体工事当日【短編】


死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? Part16
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825: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/08/16 06:03

現在、私の実家は改築工事の為に解体されている。
それは今は亡き祖父母の家で、今までにも何度も
増改築を繰り返して来たが土台の痛みが酷く、
去年祖母が他界した事もあって、
ついに全面的な改修に踏み切ったのである。

話は解体工事の当日に遡る。
母は、大工に飲み物を差し入れたりしつつ、工事を眺めていた。
或る時、サイレンを鳴らし、一台のパトカーが表通りを走って来た。
続き、救急車、消防車のサイレンも聞こえ始める。
「何か事故でも起こったのだろうか?」
野次馬根性丸出しで表通りに出た母。
だが、何とそのサイレンは全て母の前で止まったのである。
ドヤドヤと駆け降りて来た彼等は母に尋ねた。
「Yさんのお宅はどちらですか!?」

それは、既に13回忌を迎えた祖父の名前だった。

 

826: 825 02/08/16 06:04

聞くに、
『老人用の携帯型緊急用アラームが鳴った為、
急いで駆け付けた』
との事。
しかも一切の状況が掴めない為、
警察、救急、消防全てがやって来たと言うのだ。

呆気に取られた母だったが、
既に祖父母が他界している事、
そういった発信機は家に全く無かった事、
第一、家が無い事を説明し、帰ってもらったそうだ。
だが、駆け付けた救急隊員等は、
「絶対にここからの通報で間違っていない筈だが…」
と、最後まで納得していなかったという。

『解体工事中、電話線に妙なパルスが入り込んでしまい、
偶然緊急通報として受け取られたのではないか』
この話を聞いて、そう言った者もいた。
だが、我々の見解はただ一つ。

『そんな、あの世からアラーム鳴らさんでも…』

 

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