死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? Part17
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高校卒業が間近になった時期
課題となっていたレポートや研究課題に追われ
毎日のように遅くまで学校に残るのが普通でした。
研究課題は10人弱で研究を進めているものが多く先生方も力を入れているようでした
そんな中 私の研究課題は人気が無くメンバーは私とKとSの3人でした。
やる気の無い連中が3人集まり、適当に終わらせて早く楽になろうと思っていました。
受け持っていた先生も 私達のやる気の無さに気付いてか
「ある程度で終わらせていいけど他の研究は残ってるんだからお前等も一応残っとけ」
などといわれ、研究もしないで放課後の誰もいない教室で遊んでいました。
卒業の近い2月後半位の時期だったので授業が終わると外はすぐに薄暗くなり
教室の中は真っ暗で、そんな所で盛り上がる内容といえば怪談話くらいでした。
Sはそういったオカルト話が得意で、私とKはSの淡々と話す怪談話が大好きでした。
その時もSの怪談話が始まり、真っ暗な中3人でKの机を囲んでいました。
Sが『7人の兵隊』を聞いた人は
一週間枕元に水と御煎餅を供えておかないと殺されるといいましたが
私とKはその手の話に慣れておりその話を聞いた時は怖くもなんともありませんでした
他の話がいくつか終わり
程々に怖さを満喫した時にはもう時計は7時30分を廻っていました。
じゃぁ そろそろ帰ろうかということになり、帰り支度をしていた時のことでした。
Kが教室に腕時計を忘れたから誰か一緒に来てくれと言い出しました。
Kも私も怪談話を聞いた後だったので真っ暗な校舎内を一人で歩くのはきついものがありSは語り部になるくらいのオカルト好きなので
「俺がついてってやる」と余裕をかましてました。
とりあえず私は怖かったので二人を実習室で待っていることにしました。
10分くらい経っていたでしょうか、二人がなかなか戻ってきません。
「何してんだ・・早く帰りたいのに」と少し切れ気味になっていた私は
待ちきれずに怖いながらも一人で教室に向かうことにしました。
その時 窓から入る月明かりだけを頼りに教室を目指していたのですが
暗さや怖さとはまた別に嫌な感じが私を取り巻いていました。
しかしそんな事より早く帰りたいという気持ちが強かった為
気にせずに教室に向かいました。
中に入ると教室の中は真っ暗で、見た感じ誰かがいる様子はなかったのですが
人の気配はあり「ははぁ あいつ等俺を驚かそうとしているな」と思っていました。
「おぃ!ばればれだぞ!早く帰ろうぜ!」
私は廊下にまで響き渡る声で怒鳴りました。
その時です、私の声に勝る勢いで怒鳴る声がしました。
「来るな!!」
驚きながらもその声のする方を見ると何かがKの机の前でうずくまっています。
なにがなんだか理解できずにいた私は取り合えず教室の電気をつけました。
電気をつけると吐き気も次第に薄れ
うずくまっている正体もKだということが分かりました。
「何やってんだよ!おせーよ!」
何がなんだかわからないのと、早く帰りたい気持ちで私は怒りに満ちていました。
「ごめんなさい・・ごめんなさい・・」
Kは顔を伏せたまま痙攣し歩けない程震えていました。
「Sは?Sは何処いった?」
「ごめんなさい・・」
尋常じゃないKの震えで悪ふざけでは無いことだけは分かりました。
長文スマソ。
一人ではどうしようもないので先生に怒鳴られるのを覚悟で廊下の電気を全てつけ
Kをどうにかおぶさりながら職員室に飛び込みました。
先生を一人つれ
私は教室にもう一度行くと、さっきは気付かなかったのですが
一番左側の窓が開いてカーテンがヒラヒラとしていました。
ついてきた先生とその窓に近づくとSの物だと思われる上履きが
綺麗に二つ並んでいました。
その後 学校中は大騒ぎになり
私は何が起きているのかいまだに分からないまま
まだ震えのおさまらないKの横で呆然としていました。
その日の深夜
テレビのニュースでは私の学校で投身自殺があったと報道していました。
学校から直々に呼び出しがあったため
行かないわけにはいかず、親と一緒に登校しました。
学校の周りにはマスコミと思われる車が3、4台停まっていました。
私と親は学校に入るなり会議室に通され
そこにはKとその両親とSの両親がすでに待っていました。
Kは昨日より随分落ち着いていたようですが
暗くうつむいたままこちらを向こうともしませんでした。
昨日の出来事を一通り聞かれた私とKは、二人とも当事者であるのに答えは曖昧で
結局なにも分からないまま その日は帰ることになりました。
帰り際 Kが私の近くに来てボソッと「あいつは兵隊に殺された」といいました。
それをいった後Kはそそくさと車に乗って帰ってしまいましたが
携帯にメールで『後で電話する』とメッセージが入ってきたので
Kからの電話を待つことにしました。
家に帰ってしばらくするとKから電話があり
Kは昨日の一部始終を静かに語りだしました。
KとSが腕時計を取りに行く途中から教室に入るまで
に私の感じた吐き気を体感していたようです。
そして、教室に入りKの机の前まで行った所で
激しい目眩と共に二人共教室に倒れこんでしまい
金縛りのような状態になったそうです。
Kの意識はしっかりしていたようで、その後のことも話してくれました。
金縛りのような状態になった後、教室内に7つの人間のような影が現れたと思ったら
Sが立ち上がり7つの影と一緒に窓から出て行ってしまった。
あまりの出来事に物凄い恐怖を覚え
体を動かすことが出来ないのが
金縛りのせいなのか震えのせいなのか分からないくらいだったそうです。
教室に行く間KとSの会話の中で
Sは『兵隊のお供え物』をやっていないと言っていたそうです。
今となってはその兵隊の呪いのせいかどうかも分かりませんが
その時はKも私も(私は一日遅れ)水と煎餅を一週間お供えしておきました。
長文スマソ。