死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?【Part18】
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これは別に恐怖体験とかじゃないんだけど、俺が住んでた場所は子供がすくなくて
中学校の教室がひとつしかなかったの。
そんで机とかも一年生から三年生まで、ずっと一緒のヤツを使うのね。
そんなトコだから余計に学校に愛着が湧いちまって、卒業前に自分の机に座って
ぼーっと考え事してたらさ、机の引き出しが2枚板になってることを思い出したのよ。
最後の悪戯のつもりでそれを剥がしたら、変な写真と気持ち悪ぃ落書きがビッシリ。
確か、「呪殺・・」なんとかって。
とにかく最初の「呪殺」の二文字だけは忘れようがなくってさ。
こんなひなびた学校で何考えてんだろってやたらと不気味だった記憶があるよ。
ってスマン。あんまり心霊とかじゃねーなw
おとといの晩のことです。
深夜、3歳になったばかりの娘がうなされている声で目がさめました。
「うぅ~ん…いやだぁ~!……うぅん…」
首をイヤイヤするように左右に振り、苦しそうに顔をゆがませています。
ここ最近でも寝苦しい夜も続き、暑がりな娘は薄いタオルケットすらも剥いで
寝ていることも多いので、またいつもの事かとも思いましたが、
それにしても今夜はやけに苦しそうです。
妻も気づいたらしく目を覚ましました。
「麻衣、なんか悪い夢でも見てるんじゃないの?」
「ああ、そうかもな。どれ起こすか…麻衣ちゃん。麻衣ちゃん起きなさい。」
しばらくゆすっていると、娘がパチッと目をあけました。
そして、見る見る目から涙を溢れさせ「うわぁ~ん!」と泣き出しました。
抱き上げ、背中をさすりながら「どしたの?怖い夢でも見たか?」と聞きますが、
なかなか泣き止みません。
すぐ隣には麻衣の下の1歳になる弟の慎二も眠っている。
『こいつが起きてしまっては大変。』とちと焦りながら
「大丈夫。大丈夫。」ととんとんと背中を叩きながら数分、
ようやく落ち着いてきた娘が少し話し始めました。
(つづき)
「あのね。なんか白いお姉ちゃんがいたの。」
「何処にいたの?」
「うーんとね。ベランダ。」
「それで?」
「慎ちゃんの前がって言ってた。」
「?…慎ちゃんの前がなんだって?」
「慎ちゃんの前って言ってたの!すごい怖かったの!」
慎ちゃんというのは麻衣の弟の事であろう。
それと家はマンションの3階に住んでいるのでもちろんベランダもある。
にしても、このぐらいの年の子の言葉は理解が難しい。
多少寝ぼけているとはいえその後、いろいろ聞いてみたが要領は得なかった。
要約すると
『家のベランダから白い(格好をした)女の人が、娘の麻衣に向かって
「慎ちゃんの前が…」と言っていた。それがとても怖い声だった。』
と言うことらしい。
とにかくそんな人はベランダに居ないし夢を見たんだろうから
安心してお休み、と娘を寝かしつけました。
(つづき)
昨晩。
やはり同じでした。
うなされ泣き喚く娘。
起こすと同じ話の繰り返し。
「慎ちゃんの前。慎ちゃんの前なんだよう!」と言う娘。
今日は部屋の中、娘の枕もとでその白い女性が話し掛けていたようです。
その後何とか娘を落ち着かせ寝かしつけましたが、
2日続くと何かやはり気持ちが悪いものです。
すっかり目がさえてしまい、夜中キッチンで妻と話しあいました。
「まあ、何かの前触れってことではないけど慎二のことは注意して見ててくれよな。」
「うん、分かったわ。」
「しかし、慎二の前がなんだってんだろうな?」
「慎二の前ねえ…あっ!!!!!」
「ん?どうした?」
「あなた、もしかして…その白い女の人が言ってたことって…」
「なんだ?」
「『し ん じ ま え』じゃないの………?」
「………………」