学生時代にバイトの先輩から聞いた話。察しのいい人ならどこの大学かわかるかも。
大学のそばにお城の跡があって、そのすぐ近くに「首刈峠」っていう山道があった。
私もたまにバイクで通ってたけど、なんてことないアスファルトの舗装された山道。
この峠の名前の由来が、近くに刑場があったからとか色々言われてたけど、ほんとのことは知らん。
その首刈峠の中腹くらいに神社がある。
正しくは神社の入口があって、鳥居(といっても、石でできた2本の柱に注連縄が渡してあるだけのシンプルなやつ)をくぐって山を登ると社がでてくる。
社までは石段があるけど、崩れかけてるから結構険しかった。
当時の学生の体力で入口から社まで2~3分くらい。
ある夜、先輩(Aさん)が友達B、C、Dの3人と遅くまで飲んでて、「肝試ししよう」ってなった。
4人とも出来上がってて、真っ暗な首刈峠を意気揚々と神社まで歩いて行った。
石段を登るとき、前にCとD、後ろにAとBで隊列を組んだんだけど、登り始めて1分くらい経った時、前の二人が
「ごめん、やっぱりやめない?」
と言い出した。AとBは半ば呆れながら
「ここまで来てそれはないわ。ほら行くで。」
と二人を煽った。渋々CとDはまた登り始めたんだけど、それからしばらく登ったとき、その二人が急に全速力で山を降り始めた。
さすがにAとBも怖くなって二人の後を追って山を降りた。
街灯がある明るいところまで戻ってきて、AとBは先に降りた二人を問い詰めた。
A「なんで急に帰ったん?あと半分くらいで頂上やったやん」
C「いや、なぁ… 実はなぁ、登ってる途中な、石段の上の方から、カチャ、カチャって音がするんよ。で、その音が石段を降りて来よったんよ」
D「あれは甲冑の音やった。大河ドラマみたいな」
C「ほんでな、わしらが『やめよう』言うてまた登り始めたときな、甲冑の音がこっちに向かってカチャカチャカチャって走り出したんよ!それで怖くなって逃げたわ…」
それを聞いてAとBは大喜び。
「もう一回行くで!」と渋る二人を無理やり連れて行こうとしたとき、Aのスマホにラインの通知が来た。Aの彼女から。
『今大丈夫?なんか変なことになってない?』
要領を得ない。Aさんが『大丈夫だよ。どうした?』と返すと、
『隣のおばさんが急にウチに押しかけて来て、あんたの知り合いが大変なことになりかけてるからとにかく止めて!って言うんよ…』
ちなみにAの彼女は実家暮らしで、Aとは遠距離で付き合ってた。
お隣さんはいわゆる霊感が強い人らしく、普段から「見える」だの何だの言ってたそうだが、今回は本気でヤバイと思って夜中にも関わらず彼女の家に駆け込んだらしい。
さすがに酔いも覚めて4人とも帰ったそうな。
この話を聞いたとき、「その時の彼女のライン見ます?」って言って見せてくれた。作り話にしては手が込んでるので私は信じてる。
そうかもしれん笑
道端に峠の名前が書いてある看板があったと思ってストリートビューで調べてみたけど見つからんかった。首狩?首刈?首切?
[死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?358]
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