洒落怖・中編

【洒落怖】絶対に誰かが、こちらを見ている、凝視している。

200: 本当にあった怖い名無し 2020/05/15(金) 12:07:59.25 ID:2vCj98oS0

最近どうしても書きたいのでここに失礼。読み辛かったりするかも。申し訳ない。

俺は実質ニートで元カノ(Mとする)のヒモだったのね。俺自身全然ブサイクなんだけど運が良かった感じで。
温和で気が合って、大学で出会ってからずっと仲良かったんだけど、約一年前、これから書く体験をして一変した。

Mの実家はにぎやかな都市部から一時間ほど離れてて、周りは田んぼが広がってすごく田舎な雰囲気。
お隣さんとの間隔も広め。暖色の似合う、のほほんとした家といった印象。
大学や俺の下宿からも然程遠くなかったから、よく車に同乗させてもらってお邪魔してた。
家族はホントに温かく迎えてくれて、「Mに彼氏なんかできたことないから」って親御さんは色々世話焼いてくれたりもした。
・・・Mには一歳年下の妹(Eとする)がいて、Mと比べると頭も良くて可愛い感じ。でもちょっとチグハグな所があって、
清楚系に努めてるのに彼氏をとっかえひっかえしてたり、友達が多いし信頼もあるのにその時々の彼氏にぞっこんで、
俺を含め他の男を近付けない雰囲気を出してた。

俺はと言えば元々Mからその話を聞いていたのもあって、Eとは距離を置いてた。
向こうもそこまで関心はないようで、目が合うと口元だけニコッとしてすぐ目を逸らす。
俺の屑さか男の性か、かわいーなーと人知れず見とれることもあったんだが、浮ついた心は持たんようにはしてた。結構高根の花だしね。
Eの部屋に入るなんて以ての外だったんだが、家族自体は俺に警戒心もなく、どの部屋も自由にしてねーって感じ。

ある時、母親が消耗品をEの部屋のクローゼットから取って来てー、とかEの居る前で俺に言って来た。
本人は行く様子がなかったんで、悪いとは思いつつ二階のEの部屋へ・・・
二階への階段は、俺にはすごく上り下りし辛くて全く慣れず、何でこんなに微妙な幅なんだ!と思いつつのしのし上がる。
上って直ぐがEの部屋。いざ入ろうとするが、彼女だとか女の部屋だとか、大学入ってからだったしなんかドキドキしながら扉を開ける。
・・・と同時に、異様な雰囲気というか、状態に硬直した。

 

201: 本当にあった怖い名無し 2020/05/15(金) 12:10:01.18 ID:2vCj98oS0

中はいたって普通というか、適度に生活感のある女の子の部屋そのまま。
その代わり、本当に強烈な栗の花・・・精液の臭いが。そして同じぐらい鉄っぽい臭いも。
あまりのことにふらついてしまうほどだった。それに空気も重い。一気に頭痛がして、今思い出してもキツイ。
なんとか持ちこたえて、おっきなクローゼットを開けると片側には消耗品とかが一杯。もう片側には・・・Eの衣類が沢山。
衣類ダンスが一か所開いてて、そこには可愛い下着と一緒に敷き詰められた生理用品。
鉄の臭いはそれか・・・アレの臭いは・・・ここでシてるから?とか考えながら、そそくさと部屋を出た。

それからというもの、色々置いてあるが故に何回もEの部屋に入ったが、何度入ってもその臭いを嗅ぐ羽目になる。
ある時、流石にと思って一緒に入ったMに「この部屋ってこう・・・中々空気が停滞してるのよ、換気させたら?」ってそれとなく言ってみると、
「え?普通じゃない?逆に清涼感ない?」とくる。何を言ってるんだと思ったんだが、大っぴらに下ネタを言い合える仲ではないので仕方なく流した。
このヤりざまは尋常じゃない、Eの部屋の両隣にはご両親とMの部屋があるっていうのに。
正当な清楚系なのに恐ろしいこともあるもんだなぁと、この時は別の意味で怖かったな。
「(・・・そういえば、Eの今カレってどんなんだろ。先々月別れたっていう彼氏とかも一度も見た事ない)」
そんなことが、頭をよぎった。

約2年後・・・2か月も前に大学を卒業した俺は働くでもなく趣味をするでもなくボーっと過ごしてた。
前述の通りMとはヒモの関係でも仲は良くて、相変わらず家族からも好印象。その日もどの面下げてか、居心地の良いMの実家へ。
以前より行く頻度は大きく増していたが、代わりに、Eを家で滅多に見なくなった。聞くと、今じゃ家にいる方が少ないんだと。
Eは早々伝手をフル活用して内定を貰い、単位の心配もないからか遊びにデート三昧らしい。
ほんとすごいなあと他人事のように思いながら、最近入ってないな、とEの部屋に行ってみる。
慣れがあるとはいえ、何故用もないのに行こうと思ったかは分からない。
上りにくい階段を上がって直ぐ、おもむろにドアを開けて・・・異変に気付く。

 

202: 本当にあった怖い名無し 2020/05/15(金) 12:10:41.03 ID:2vCj98oS0

・・・血なまぐさい。
精液の臭いも当たり前にしていたんだけど、今はそれ以上にむせそうになるぐらいの鉄の臭い。
異常事態に部屋で固まっていると、ベッド上(ドアと反対側)にある出窓付近から、なんというか、プレッシャー?のようなものを感じて一気にその場から逃げたくなった。
絶対に誰かが、こちらを見ている、凝視している。確信に近い直感。こんなこと初めてだ。
でもそこに目を向けても、昼間ののどかな景色が広がる窓があるだけ・・・
ハッとして、階段を落ちるように駆け下りた。

「(やべぇ、これが霊感かも・・・どうしよう、三泊するとか言っちゃってあるし・・・)」
ってな具合に、心っ底お泊まりを後悔してた。と同時に、漸くここで「なにかがおかしい」という意識が。
それを明確にするため、夕食の時間にテーブルを囲んだM、そしてご両親に聞いてみる。
「Eちゃんって、家にお友達とか、彼氏さん連れて来るんです?」良く考えればE関連の質問は初めてだ。
すると、皆一様に「Eは人連れてきたことないね」と言う。
何故かこの時、やっぱりな、と内心思った。

その日の深夜2時過ぎ。いつもなら二階のMの部屋で寝るところだが、最早睡眠どころではない。
一階のリビングで電気もつけず、ボーっとEの部屋があるであろう天井を見ながら特大のビーズクッションに身を委ねてた。
暗闇の中、ずぶずぶと変な空間に落ち込んでいるような感覚になってめまいがする。
流石にこのままはまずいと足に力を・・・と思ったが立てない。ほぼ金縛り。
眠くもないぞ!どういうことだ一体!と滅茶苦茶に焦りながらもがくが、口も含めマジで動かない。
これほんとにヤバいんじゃ・・・思考が止まりかけた矢先、バーン!と車の扉を閉める音がして跳ね上がった。

あっ!動ける!と思った瞬間、Eが帰ってきたことを直感して一気に別の焦り。
二人で居た事なんてなく色々気まずいし、俺の靴は裏口の靴箱に置いてあるから驚かせることになってしまうのでは、冷静に考え、
その沈着さとは真逆に、馬鹿みたいにビーズクッションの裏に精一杯身を縮めて隠れる。
幸い、帰宅早々仕切り戸で繋がった隣の部屋の電気を点け、そこで色々しだすE。
戸が全開なのに気付かないもんなんだなぁ、と胸を撫で下ろしながらまじまじと観察をしていると、Eはおもむろに服を脱ぎ始めた。

 

203: 本当にあった怖い名無し 2020/05/15(金) 12:18:27.70 ID:2vCj98oS0

風呂にでも入ってきたのかくらっとするいい匂いが漂ってきた。
こっちに気付いてるわけでもないのに、一々体を指先で撫でてまるで誰かに見せるかのような素振り。
見ちゃいかんとかそういう考えは失せたまま、可愛らしい体と美しさに目を奪われる。
身長はそれなりに高く、胸は小さいがくびれて色っぽい体つき。足はちょっと幼さが残ってるプニッとした感じ。
生唾が止まらないというか、色々ひっくるめて理性が飛びそうな状況だった。
・・・よく見える位置で、Eが股を広げて股間に手を伸ばす。何やらグニグニと触っていて、もうこっちは限界寸前。
その時、かばんから軟膏を取り出してひとすくい。「イテ」とか言いながらアソコに塗りだす。そりゃヤリ過ぎだわ!

突っ込みどころのお陰で何とか手を出さずに済んだ俺は、二階に上がっていくEを見届けてそのまま絨毯で寝てしまった。
翌朝。Mとご両親に笑われながら起きた俺は、Mの誕生日祝いの買い出しに付いて行くのを、ひどい体調不良から断った。
結構長い留守番を頼まれ、窓からのいい風で揺れるレースカーテンを見ながらボーっとする俺。
6月にもなろうという時で、しかも良い陽気の土曜日。
深夜のことなどもう忘れており、Mの部屋で寝るために2階へ。
ささっと階段を上って、直ぐのEの部屋は扉がちょこっと開いていた。覗き込むと、昼近いのにすやすや寝ているE。
一気に昨晩のことを思い出すが、異常さへの警戒や恐怖はすっぽりと抜け落ちて、するっと部屋の中に入る。
女の子らしい部屋に、くらっとするようないい匂い。俺の好きな柑橘系だと気付く。清々しい部屋だ。

本当は可愛さあまっていたずらの一つもしたかったんだけど、ふとMの顔がよぎり躊躇。
Mの誕生日にこれはまずい、と呼吸を整えて出ようとすると、ベランダに続く窓から良い風が。
直後、覗きしよ!と、なんともおかしなことを考えつく。
内心自分を正当化して、まずMの部屋からベランダに出て、Eの部屋の窓際に。
覗くとして、普通外の方が明るければ部屋の内部から丸見えだが、運の良いことに(?)、
出窓から差す日光と窓付近に置いてある衣類架けのお陰でほぼ気付かれず、内部も良く見えるという出来過ぎた最高の立地だった。
ベッドに寝てるEの足元は見えるし、高揚しながら早速見守る。

 

204: 本当にあった怖い名無し 2020/05/15(金) 12:19:52.55 ID:2vCj98oS0

程無く、Eのiphoneの目覚ましが鳴り響く。Eはすぐ起き、そのまま一階へ。
Eにとっては俺は居ないはずなので、見つからないようにしなければならない。
身だしなみや持ち物を万端にし、Mの部屋の窓を開けておき、退路を確保した上で潜伏。
30分位たっただろうか。車が停まり、家中に響く音でチャイムが鳴る。俺は固まった。
Eは一階でドタドタと走り玄関へ。間もなく、楽しげな男女の話し声が2階へ上がって来る。
彼氏だ・・・何でこんな日に!?何とも身動きの取れない現状に更に制限が付く。そして万一覗いてる時にバレた日には・・・
迂闊に動くわけにもいかず、息を殺していると案の定二人でEの部屋に入ってきた。

・・・少し経ったが、ベランダに用がない限り全くバレそうにない。
二人はというと多少イチャイチャしながらお揃いの服をどうするかとか、撮った写真でジグソーパズル作るだとか話している。
よく見れば男は中々のイケメンで、この取り合わせを少々うらやましく思っていると、唐突にそれは起こった。
何の前触れもなく二人が服を脱ぎ始めたのだ。
多少イチャついてたとはいえそういう会話すらなく脈絡がない。面食らうと同時に、流石に興奮が湧きあがってくる。
早々に二人とも全裸になると勢いよくベッドに倒れ込み愛撫もせずに深々と正常位が始まった!

声は出さずとも俺は「嘘・・・」と口を動かしてたに違いない。
前戯がないのも驚きだが、すぐさまバチンパチュン!と激しく腰を打ち付ける音と耳にしたことの無いようなソレの音。
Eの足がひょこひょこ動き、目を凝らせば結合部は濡れて本当にすごいことになっている。
男は鼻息と唸りが混ざったような声を漏らし、Eはといえば押し殺すような切ない声と疑問符のような尻上がりの喘ぎ。
お隣までが近ければ、容易に聞こえてしまいそうな喘ぎ声を上げながら抱き込まれ激しい腰使いを受け入れる。
今でも鮮明に思い出す。それ程までに異常な状態と強烈な光景だった。

 

205: 本当にあった怖い名無し 2020/05/15(金) 12:20:40.57 ID:2vCj98oS0

俺はあまりの興奮に、割って入りそうな程の高揚に包まれてしまい、我慢の限界を迎えようとしていた。
Mともこんな事にまでなったことはないのに!とEに対し嫉妬のような憎しみのような感情まで持ったその時、
あの臭いがしてきた。
精液と血の混ざったあの胃に来るような臭い・・・
途端に我に返り、目を凝らしてみても行為は続いているし、それらの流れた様子もない。
えぇ?と混乱していると、Eが上体を起こしたのか、先程まで見えなかった顔がゆっくりとベッド端から上がってきた。
そしてその顔は、こちらを見た。

Eではなかった。もちろん組み敷いてるような体勢の男の顔が見えるはずもない。逆も然り、Eだってそうだ。
俺はもう声を上げそうになっていた。もはや硬直が勝っていただけ。
だってその顔は、Mと似ていたから。
正確に言えばMではない誰か。EとMを掛けあわせればこんな顔になるだろうか・・・
その顔は、きょとんとした顔をこちらに向けたかと思うと、口元だけニコッとさせた。
そいつが見ている。凝視している。目の前の事実。プレッシャー。
頭で理解する前にもう体が動いていた。
ベランダからMの部屋へ飛び込み、部屋を出て階段を転げ落ちそうになりながら駆け下りる。
まるで足を取られてるようだった。

裏口から家を飛び出ると、情けない声を上げてひたすら走った。
偶然、買い出し途中らしいM達の車に呼び止められたが、構っていられる余裕はなかった。
幾ら走ろうが、プレッシャーが消えていなかったから。
夢中で振り払うようにデタラメに走って、疲れ果てて一歩も動けなくなった頃にはボロボロ泣いてた。
夕暮れ。圧に似た感覚はもうなかったが、Mの実家に戻る気持ちなんか持てなかった。

そのままトボトボと歩き、翌日の明け方なんとかアパートに戻った時には気力を失ったように倒れ込んで、
気がつくと、Mが俺を揺り起こしていた。どうやら丸一日玄関入って直ぐで倒れてたみたい・・・
それから数週は精力とか元気みたいなものがまるっと減退してしまって、
誕生日のことも怒らずに遊びに来てくれるMにも、冷たい態度を取ったり暴言を言ったりしてしまい、一気に悪化してそのままお別れ。
今思っても後悔や未練が湧くんだが、でもその態度の原因はMに似たアイツの顔を思い出してしまうからに他ならなかった。

 

206: 本当にあった怖い名無し 2020/05/15(金) 12:22:05.80 ID:2vCj98oS0

アイツは一体なんだったのか、そもそも血と精液の混じったあの臭いは一体なんだったのか。
色々考えるうちにふと気づく。あの日、受け付けなかったものに対して真逆の反応をし、感覚がおかしくなっていたことに。
臭いだけじゃない。階段もそうだ。部屋自体にも。
恐怖で鳥肌が立った。あの真夜中から、自分が変わってしまっていた・・・

Mに電話を掛ける。「大事なものそっちの家に置きっぱなしで、取りに行きたい」
家族の面々に会うのは忍びないので、Mだけが休みの日にこっそり上げてもらうことに。
俺は本気で覚悟していた。これには決着をつけるんだと。
迎えに来てもらって車の中ではお互い無言。気まずいが大事なことは家で聞くつもりだった。
・・・のだが、家の横の駐車場に停めてもらい車を降りてすぐ硬直した。
家自体に異様なプレッシャーみたいなものを感じるからだ。
それは俺の先入観ならよかったんだけど、家の近くにいるだけで変な見えない空間に落ち込んでいくような感覚に囚われる。
もう、一歩たりとも入れなかった。

事情を話そうか迷ったが、Mは怖がりなうえどういう関係や影響があるかも分からず、結局そのことは話せず仕舞い。
来て早々帰ることになった俺は、異様な威圧感が消えない家の前で、気になっていたことを一つ聞いた。
「Mってさ、E以外に姉妹とか居たの?」
いきなりの問いに何々?とすごく驚いた様子で、少し考えて一言「いたみたい、かも。いないけど」と答えた。
礼を言って、電車で帰るからとその場を去ろうとすると、
「Eは出てったよ」
・・・仕事が忙しくなったというMとは、以来連絡も取ってない。

結局、多くの謎だけが残ってしまった。
アイツはMや家族にどういう関係があるのか。俺は魅入られそうになっていたのか。
Eはアイツに憑依されてでもいたのか。Eが居なくなった家にプレッシャーを感じたのはなぜか。
階段、部屋、臭い、これらに何の因果があるのか。
首を突っ込むのは容易いかも知れないが、俺には解決できそうにない、と感じる。
ちなみにまだニートやってギリギリ生きてる。栗の花や鉄っぽい臭いは全然慣れない・・・

 

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