洒落怖・短編

【洒落怖】何かと思って友人に近づくと、がたがた震えて、言葉もでない様子

 

685: 本当にあった怖い名無し 2020/10/24(土) 23:11:18.37 ID:NYCTxUFD0
大学卒業が迫った3月、同じ大学の友人宅に集まって飲み会をすることになった
自分はバイトがあって遅れ、友人が住むアパートに着いたのは23時ごろだった
階段を上がろうとして、階段に近い101号室のドア前に何かがいるのに気付いた
小学生くらいの男の子っぽいのが、体育座りしている
まだ3月に入ったばかりで冷え込んでいるのに、半袖シャツにハーフパンツみたいな軽装で、顔はうつむいていた
「親がお仕置きで外に出した?もしかして虐待?」と思いつつも、声をかけてDQNな親が出てきたら怖いし…と、とりあえず二階に上がり、友人宅の203号室に入った
友人が言うには、アパートは単身者っぽい住民ばかりで、子供は見たことがないという
みんなで一緒に一階に降りたら、子供はもういなかった
一週間くらいして、友人から急に夜中に電話があった
友人が深夜に帰宅したら、あの男の子がいたんだそうだ
自分が見たのと同じ感じだけど、101号室ではなく、今度は階段上がってすぐの201号室のドア前にいた
さすがに目の前を通り抜けて部屋に向かう気にはなれず、最寄りのコンビニに駆け込んで、自分に電話したという
友人はかなりびびってしまって、「家に帰りたくない」と自分や他の友達宅を泊まり歩くことにした
とはいえ、友人も他の同級生の多くと同じように、就職を控えて月末には引越しが迫っている
昼間には家に帰って引越し準備をして、暗くなる前にアパートから退散…という感じの日々を過ごしていた

 

686: 本当にあった怖い名無し 2020/10/24(土) 23:11:39.83 ID:NYCTxUFD0

続き

大体荷物も整理できて、後は粗大ごみを業者に引き渡すだけとなった
しかし業者も繁忙期のため、指定の日は夜の時間帯じゃないと来られないという
友人が一人では嫌だと半泣きになっているので、友人、自分、後輩の3人でその日業者を待つことにした
時間通りに業者が来て、最初は後輩がドアを開けて応対
「何もいないっすよ」と後輩が言い、業者も特に変わった様子がなかったので友人と自分は安堵した
粗大ごみを運び出してもらい、最後に玄関先で業者が契約書?にサインを求めたので友人が行った
「ありがとうございました~」という業者の声が聞こえたと思ったら、急に友人が玄関にへたりこんだ
何かと思って友人に近づくと、がたがた震えて、言葉もでない様子
自分と後輩でそっとドアを開けて恐る恐る様子をうかがうと、やっぱり子供がいた
今度は隣の202号室の前にいた
後輩にも見えたようで、「うわっ!」と叫んでいた
自分も怖くて怖くて、生まれてはじめて恐怖で体が震えるって経験をした
それから引越し当日まで友人がアパートに戻ることはなかった
引越し当日は何もなく、友人が引っ越した先のマンションでも変わったことはないという
あの男の子はなんだったんだろう
もし友人宅のドア前まで来ていたらどうなったのか、未だに気になる

 

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